繁盛パートナー 代表 矢野 定之

私は、2005年から飲食店の経営をはじめました。 現在で14年目に入りましたが、そのうち10年間位は、ずっと人手不足に悩まされ続けていました。求人誌や新聞折り込みで求人募集をしても、一件の応募もない、やっと応募があっても面接の当日に来ない、面接に来て採用してもすぐに辞める。続けて働いてくれるスタッフは本当にほんのひと握りでした。毎週求人広告を出し、経費ばかりが掛かりました。人手不足の状況は増々酷くなり、このままの状態が続きスタッフが抜ければ店は続けられない。将来への不安から私は鬱病になってしまいました。そんなある日、日本語学校に通う台湾人の蔡くんがアルバイトに応募してきてくれました。彼は日本語が上手で、飲食店で働いた経験も有り、即戦力になってくれました。蔡くんはうちの店を気に入ってくれ、日本語学校の友達を数人紹介してくれました。

たちまち、うちの店は人手不足から解放されただけでなく、20代の若いスタッフの加入で店の雰囲気が明るくなり、経営も上向きました。なによりも私自身が彼らと一緒に仕事をすることが楽しくなりました。親元を離れて日本に来ている彼らにとって、食事は一番の楽しみであり、仕事の後の食事を本当に美味しそうに食べてくれました。「マスター、今日のご飯はメッチャ美味しかった」と嬉しそうに言ってくれました。今の日本人のアルバイトやパートさんで、賄い飯が何より楽しみという人はまずいません。彼らは、日本人の学生や主婦に比べると、仕事を得ることが難しい為、まじめに働いてくれて休むことも殆どありません。休むときも他のスタッフに代理を頼み、シフトに穴を開けるようなことはありません。本当に私は彼らに助けられました。そこで、今度は私が人手不足で困っている経営者に、彼らの様な留学生や専門学校生を紹介することで彼らを助けたいと考えました。私の様に人手不足で困っている経営者の力になりたいと考えました。彼らの話では、日本人経営者の中には外国人スタッフを冷たく扱う店や会社もまだあります。しかし、職場が楽しいと感じてくれれば長く働いてくれ、友達を紹介してくれて人手不足から解放されます。職場の雰囲気が明るくなります。お客さんの中にも、大学時代に中国語を専攻していた人や英会話の経験のある人は、彼らに話しかけて楽しんでいます。彼らの中に一人、日本語が上手なスタッフがいれば、そのスタッフが先生役になってみんなに仕事を教えてくれるので、日本語がまだ不得意子な子も戦力になって働いてくれます。彼らの日本語の上達スピードは本当に早いです。日本語のレベルや仕事を覚えるスピードの違いなどは個人差がありますが、日本に来ている留学生や学生は真面目で勤勉です。日本人の学生と違い、彼らの殆どは専門学校などの学費を自分で賄っているので、生活が掛かっています。だから、仕事を休まないし真面目です。そんな彼らと日本人経営者の橋渡しの役目を私が行いたい。そんな思いからこの度、繁盛パートナーを立ち上げた次第です。